サンロクと挑戦する。サンロクと解決する。

改めて「お金」を考えてみるの巻

ビジネスコラム 2020.02.27
佐藤香奈子

サンロクコンシェルジュ佐藤香奈子

「ローカルファンド」この言葉を初めて聞いたのは、今から6年前でしょうか。酒田商工会議所青年部が主管した「ローカルサミットin酒田」。この時に初めて出会った言葉。この時は「それが何なのか?誰が、何のためにやろうとしているのか?」なんて、全く分からなかったのだけれど。つけ加えさせていただくと、この時に出会った人、出会った考え方、出会った言葉…この一つ一つが今の自分の根底を支えてるのかもしれない。

 

「地域のお金を地域でまわす」この仕組みを作ること、そうじゃないと地域のお金はどんどん外へ流れていっていまう。そうしたら、地域は生き残れるか?お金は血液のように流れる(循環する)もの。どこかから出血があったり、詰まってしまったりしたら生きていけないんだよ…。その仕組みの一つが「ローカルファンド」である。そんなお話を聴いたのは、前述のローカルサミットから2~3年たったころかもしれない。そこで出会った方のお一人が、熱をもって教えてくださった。正直、1回聞いただけでは、サッパリ意味が分かんなかったけど。

 

 

今年度、サンロクでローカルファンドをテーマにしたセミナーを開催しました。滋賀県東近江市のローカルファンド「三方良し基金」のキーパーソンをお招きしたのです。これがまた、めっちゃソフトなのですが、話す姿から芯の強さが伝わってくる、とっても魅力的な女性です。その東近江での事例は、想像だにしない内容でした。私の浅はかな知識では、「ローカルファンドは地域の方々が地域のためにお金を出す仕組み。その集め方や使い方を精査し、地域でやりたいと思う人や、活性化につながることに支出する」こんな感じかな。それが、もちろん前述した機能が基本にあるのだけど、企業が公的な資金(補助金・助成金)をうけて成す事業を、最初に証券化して投資商品として地域の方に購入いただき、事業完了後には利回りもつけて購入者(投資者)に還元する仕組みまであった。しびれました、そして感動してしまいました。市民の力でこんなことできるの!そんな思いです。もちろんこの仕組みには、地域金融機関、行政、大学の先生などたくさんの知見と協力があってこそ、なのは言うまでもないのだけど。

 

 

この庄内地域には、森里川海といった豊かな自然環境、そこに生きる動物、鳥、魚などの生態、風力・太陽光に代表される自然エネルギー発電機能、食料自給率も100%を超え、何よりそこに暮らす私たちは、お金では到底買えないあったかい関係性がある。そのあったかい人と地域には、あったかいお金が必要なんだ。お金はともすると、それが目的化してしまう。でも、違うよね。お金は「何かを交換するツール」。たくさん持っていれば、たくさんのモノ、経験、安心、そのほかにもたくさんのモノと交換できるでしょう。でも、ただ交換ツールとして個人が欲しいものに、何も考えることなく交換していったら…それが地域の持続化につながるのでしょうか。暮らす人の幸せにつながるのでしょうか。

「ローカルファンド」もツールの一つです。でも、地域の人が地域で循環する「お金」ということをもう一度意識をして、そのお金に「気持ち」を込めることができる、そんな風にならないかな、なんて考えています。

 

「私、酒田産の杉の間伐材を使って、こんな商品作ってみたい。そしたら、もっと酒田の杉が全国の人から知ってもらえるんじゃないかな」「俺、夏の庄内浜でこんなイベントをやってみたい。湘南より庄内じゃー!と言ってもらえるような浜にするんだ」みたいな、地域で自分のためにも周りのためにもなる事業をしたい人がいっぱい表れて、それを市民が資金面でも応援する。もちろん、事業が失敗したら資金が無駄になっちゃうので、主体者の活動を応援したり、叱咤激励しながらみんなで達成を分かち合う。そんな人がたくさん表れて、応援するお金には「気持ち」が込められる。考えただけでもワクワクしません?
ローカルファンドが現在実行中の地域の中には「市民」のことを「志民」とよぶところもあります。前述のセミナーの題名も「志のあるお金で未来投資を太らせよう!」です。

「地域創生」という言葉が日本中にあるけど、相変わらず進んでいく一極集中。酒田・庄内も魅力的な場所とわかっていても、いくらPRしても、それだけで人は動かないのかもね。
だって、日本全国ぜーーんぶ魅力的な場所なんだもの。それならば、ここで生きていくことを選択した私たちが、「志」をもって暮らしてみてはどうだろう。「やりたいことをやりたーい!やってみたーい」と言葉にできて、「それ、いいじゃん!一緒にやろう」という仲間ができ「君が言うんだったら応援するよ」という「志」の入ったお金が背中を押す…。そうしたら、きっとこの庄内はずっと続いていくはずだ。そう、酒田は三十六人の商人が自治区として起こしたように。かつて庄内藩士が、刀から桑に持ち替え自ら開墾して絹の生産地にしたように。

ICTがこれだけ普及し、グローバルに世界がつながり、地域にいても世界中の情報が入ってきたりするのだけど、だからこその地域の魅力を、仕組みをもって発信する。仕組みがその地域の人の魅力を引き出したり、人と人とのつながりを強くしたりする。こんな考え方、どうかな。来年度、小さい一歩を踏み出したいと考えています。どうぞどうぞ、皆さんご一緒に、楽しくご参画をお願いいたしまする。(最後は武士風に)