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「企業の借り入れの連帯保証人が社長個人であるということ」について

ビジネスコラム 2020.06.15
佐藤香奈子

サンロクコンシェルジュ佐藤香奈子

「事業と個人」とっても一般的なお話をします。
事業経営者だったら誰でも思う、一般的な話だと思います。

 

このコロナ禍のおかげで、弊社も金融機関からの融資をしていただくことになりました。大変ありがたいことです。やっぱり今は平常時ではないですよね。「人との距離を保ちましょう」「出かけるときもマスクで」「密集した場所は作ってはいけません」などなど。。。この状況で今まで通りの「お客様商売」はなかなか厳しいものですし、今後どのくらい続くのかが予想できない今、融資をいただき、落ち着くのを待つということは大変重要な企業活動の一つと考えます。

そして、融資を受ける際に必ず必要となるのが、企業の代表権を持つ者からの個人補償。。。「連帯保証人」なのですね。

 

 

思い返すこと12年前。家業の代表になって半年後ぐらいにやってきた「連帯保証人」としてサインと押印の場面。いやー、緊張しましたね。それと、何とも言えない「後悔」「申し訳ない」「どうして私が…」みたいなものがごっちゃになった気持ち。(確かその日の夜、初めて一人で飲みに行ったような気がします…)

だってね、私は実家の仕事を継いだ身ではあるのだけど、お嫁に行って主人の家に住んでいるので、私の家、土地ではないところに住んでいるのです。名義はすべて義父のもの、なのですね。そう、私には何の個人財産もない、あるのは雀の涙ほどの預貯金です。

そんな状況であるにもかかわらず、連帯保証人にサインと印鑑…。なかなかすんなりと気持ちが納得はできなかったなあ。

まあ、今はね、制度的の理解も12年前よりはできているし、度胸もついたので(笑)、そんなもんかな、と思える自分もいるのだけど…。でもやっぱりこの制度は本当にいいのかな、とも感じるのです。「事業がうまくいかなかったこと=個人の生活への影響」って、必要なものなのかな、と。もちろん、「経営者はどんなことがあってもその責任はとるんだ」という気持ちは必要なものだし、私もそう思っています。これに嘘は全くない。一方、今企業の経営方法って本当に多様化しているし、経営者自身も多様化している。いや、多様化していかなければ日本の中小零細企業の存続は望めなくなる。「力のない企業はなくなってもいいんじゃない?」という意見ももちろんありますよね。それはそれで正しいと思います。コロナもそうだけど、そもそも人口減少が激しいこの国で、今あるすべての企業が存続するなんて無理だもの。
でも、その状況そのものが「既存のモノで本当にいいの?」と問いかけているような気がする。2019年の我が国の出生率は1.36。これは事業していようとそうでなかろうと関係なく、日本の女性が生涯出生する人数の数値である。この現実を間のあたりにする今、企業経営者の在り方って、どうなんだろう?って、やっぱり思うのですよね。

 

 

私のようなケース、後継者がいなくて(だって出生率1.36なんだもん)従業員に承継するケース、たまたま好きになった相手が経営者の娘さんで、その旦那さんが事業を引き継ぐケース、その他M&Aとか、もっともっといろいろあるんだけどね。こんなに多種多様なケースがあるのに、個人の連帯保証についてはあんまり変わらない。(多少は変わっています)
「チャレンジができる社会に!」「失敗しても次のチャンスを!」という掛け声と、少しずれてる気がするのは、どうしてかなぁ。

 

なんて思っちゃったのは、先日いただいた融資に、またもや自分の個人の連帯責任が必要だったからなのだけど。コロナ禍の経済的影響「本番はこれからだ」と、私も含め経営者の大多数はそう思っているはず。そう、何が起こっても、最終的には経営者の責任だ。私にもその覚悟はありつつ、先のことはさっぱりわからない。
でも、思うんだ。たとえ事業が立ち行かなくなり、結果倒産という選択をしたとしても、きっと私には友達がいる。今は個人の生活に直結するような制度しかないとしても、きっと友達は友達だ。家族には多大な迷惑がかかっちゃうけどね。

 

いつか日本が、再チャレンジ全然OK!みたいな国になったらいいな。精一杯やった結果と個人の生活に及ぶ影響が少し分離されたらいいな、と思うのでした。