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おでんの店

最新トレンド 2020.01.07
井上裕太

サンロクパートナー井上裕太

冬になると恋しくなるのが「おでん」。
今ではコンビニにその座を奪われたが、昔、駅前といえば、だいたい屋台のおでん屋が出ていた。

小腹を埋めるために座った屋台で、見ず知らずの人達と話すのが若人ながらに楽しかった。会話のきっかけ作りの定番は、出身地のおでんの話であった。関東風と関西風の味付けの違い。つゆが黒い静岡風。八丁味噌で煮込む名古屋風、鶏だしが特徴の博多風、豚足などを入れる沖縄風など、地元で愛されるご当地おでんは全国に多々あり、当時、東京のおでんしか知らなかった若者には興味津々の話だった。
ここ酒田には、ご当地味のおでんがない。東北でありながら、未だ江戸時代に北前船で伝わった餅の形(東北なのに関西風丸餅)にこだわり続ける頑固者が集う街にしては、ちょっと残念に感じる。

そんな酒田でおでんを始めた店がある。
北前横丁にある「酒処KITAMAE」だ。
もともと酒田の地酒をはじめ、秋田、新潟と北前船寄港地の地酒が楽しめるお店であったが、凝った料理はあまり無かった。そんなお店がこの冬からおでんを始めた。

店主は秋田出身だが、何故かおでんは関西風の味付けにしてあり、具材にも定番の牛すじが顔を覗かせている。10席程度のコの字型のカウンターの中央には、煮込まれたおでんが鎮座しており、一人で行っても、おでんを中心に見ず知らずの人同士が会話を弾ませられる楽しいお店である。

美味しい地酒と美味しいおでん。まさに、昔楽しんだ屋台のおでん屋がそこにある。